日本酒にもいろいろな種類があるんだよ!という話。
甘い日本酒です。
甘口とかそういうのではなくて、本当の意味での甘いお酒です。
といっても砂糖を入れているわけではないです。
そんなお酒、貴醸酒です
日本酒の作り方をすごくシンプルに書きます。
アルコールを作るので、アルコール発酵が必要です。
アルコール発酵は酵母のちからを使って糖分をアルコールと炭酸ガスにするものです。
ただし日本酒の原料の米自体には糖が含まれていないので、
麹の力を使って米(でんぷん)から糖分(ぶどう糖)を作ります。これを糖化というわけですね。
日本酒はこの糖化とアルコール発酵を同時並行で進めていきます。
ビールは大麦から糖に変えて、その糖をアルコールにするということをばらばらにします。
ワインは材料のぶどう自体に糖があるため、糖化は無しでアルコール発酵を進めることができます。
そしてアルコール発酵は無限にできるというわけではありません。
酵母によってアルコール分の上限が決まっているわけです。
限界まですすめると20度近くにはなるようですが、それ以上は進みません。
アルコール発酵を進めるにつれて自分がつくったアルコールによって酵母がだんだんと死滅していってしまうため、アルコール発酵が緩やかになるわけです。
ここまでOKでしょうか。
さて、通常日本酒を作るときは水と米、麹、酵母で作るわけです。
さっき書いたように
米→(麹)→糖→(酵母)→アルコール
となるわけですね。
この水を日本酒に変えたらどうなるでしょうか。
麹くんはせっせと米を糖に変えます。
酵母くんは糖をアルコールに変えていくのですが、周りにはすでに日本酒のアルコールがあふれているわけです。
水で作るよりも上限の20度くらいに早い段階で達してしまいます。
そうなると、アルコール発酵に使われるはずの糖が使われずのこったままになります。
そのままぶどう糖が残っているため、通常の日本酒よりもとんでもなく甘い日本酒ができあがるというわけです。
こういった作り方をした日本酒を貴醸酒といいます。
貴醸酒は日本酒で作るといっても完全に水を使わないわけではありません(使うものもあるみたいですが)。
通常水を3回使うそうですが、そのうち1回を日本酒に変えて作ることが多いようです。
論より証拠。
日本酒に比べると種類は少ないですし、日本酒で日本酒を作るわけですから若干高価ですが、
おいしい貴醸酒はいっぱいあります。
ぜひ秋の夜長にちびちびと貴醸酒を楽しんではいかがでしょうか
コメント